国際幼児健康デザイン研究所は、幼児が心身ともに健康で、生き生きとした暮らしができるように、幼児 の健康づくりに寄与する教育・保育・体育関係者および子ども支援者を対象に、幼児の健康づくりセミナーを開催し、研究知見や健康づくり情報を発信します。
道標
健康理論を拓き、子どもたちを愛し
実動のあり方を示して、皆で取り組むべき課題を語り継ごう。
国際幼児健康デザイン研究所所長 近藤 寧
開催日時:令和3年4月17日(土)午前9時30分~午後2時30分
研修方法:オンラインzoom
発信場所:早稲田大学所沢キャンパス内 人間科学学術院106研究室
講師紹介
泉 秀生
東京都市大学准教授・博士(人間科学)
石井 浩子
京都ノートルダム女子大学教授
前橋 明
早稲田大学人間科学学術院
教授・医学博士
国際幼児体育学会会長
日本レジャー・レクリエーション学会会長
講演1 「乳幼児期から始める規則正しい生活習慣づくり」
講師:泉 秀生(東京都市大学准教授)
講演2 「幼児の健康づくり大作戦」
講師:石井 浩子(京都ノートルダム女子大学教授)
講演3 「親子ふれあい体操のススメ」
講師:前橋 明(早稲田大学人間科学学術院教授・医学博士)
国際交流コーナー Q&A
Q1:遊具使用時の干渉の程度についてですが、どの程度の干渉が適切なのか?またその事を把握する方法を教えてください。
A1:遊具の正しい使い方、危険を伴う場合、雨天後など子どもたちでは判断できない所ところは、大人が指導する、また関わるようになりますが、干渉し過ぎると過保護になり、逆に子どもたちの判断能力が欠如することになります。“親”の文字にあるよう保護者や大人は、子どもたちを見守る時間も必要と考えます。
Q2: 家庭のゲーム化について子供の楽しみ方について、どのように考えたらよいのでしょうか?
A2-1:スマホや家庭ゲームが身体に及ぼす影響は承知されている中、大人が手本を見せる必要があります。子どもたちの前ではむやみにスマホを操作しないことも必要。子どもたちにも視力の低下や身体に及ぼす影響について話し、幼児や児童であれば理解させることが大切な親の目と考えます。
また、大人が子どもと一緒に外へ行き活動して導くことも大切です。縄跳びやキャッチボールをする。ゲームを離さない子が居れば、ゲームを持たせたままで公園に行き、ゲーム以上の楽しい活動を見せて興味付けしていく方法も効果的です。
A2-2:園においては、ゲーム要素のある集団遊びや運動あそびを行うにあたり、3歳未満児では、ピアノに合わせて歩く、ジャンプなどをし、ピアノが止まったら止まるというような遊びをしています。また、3~4歳児では、鬼ごっこやいす取りゲーム、フルーツバスケットなどをしますが、鬼になりたくなり、ゲームが進まなくなることがあります。
5歳児になると、ルールがあることが面白く、ゲームを楽しめるようになります。
そのため、各年齢により、簡単なルールで遊べるものから少しずつ複雑なルールの遊びへと移行していきます。
Q3: コロナ禍で、子どもたちの外出機会が減少して、スマホゲームに夢中になって、時間制限しても、視力低下や運動不足といった問題について、お話が聞きたいです。
A3:スマホゲームは時間を決めて、親も同様に行動する。一緒にゲームをしたら、次は家の掃除をしようと決めておくことも良いです。家の掃除が終わったら、買い物に行こう、買い物が終わったら、少し勉強しようと大人も一緒に勉強する。子どもは親が思うようには育たない、子どもは親のように育つと言われますが、子どもと一緒に居るときは同じ活動をすれば子どもは真似ます。
Q4: 我が家の子供はとても元気で、就寝するのが遅くなりがちになるのですが、どのように対処すればよいのかアドバイスをお願いします。
A4:日中の活動、夕食や入浴のルーティンを見直すことも策として有効と考えます。活動量が十分に摂れていれば、夕食や入浴後で20:00過ぎには眠気を誘ってきます。また、親が子どもと一緒に布団に入ることで子ども自身も安心して眠れるようにもなります。寝室で工夫を凝らして、例えば天井に蛍光の星シールを貼ったりすれば暗闇の中で夜空を見ている環境を作れます。その中で親が眠気を誘う話しを聞かせることも一つの方法です。
大切なことは、子どもだからと一方的に言い聞かせるのではなく、親や大人が手本を見せることです。
Q5:子供の自立性が不足して5歳になってもまだ服が上手に脱げません。このような状況をどのようにして改善していけばいいですか?
A5:子どもの環境に問題があるのでは無いでしょうか。親や大人が手を掛け過ぎると早く行
ができても、子どもの身にはつきません。むしろ、子どもの発育発達が遅れます。できる限り、幼児の子どもであれば、まず自身で取り組ませることが大切で子どもが困っている場合は援助する姿勢が望ましいと考えます。一つ一つの取り組みを認め、褒めていくことで子どもも自信を付けます。親と競争をして衣服の着脱をすることも一つ。ゲーム的に行うことも効果があります。
Q6:両親とのスキンシップやコミュニケーション不足が原因で集中力が欠如がちになってしまい変わった性格になってしまい、同年代の子供と遊ぶのが苦手です。このような場合はどのようにすればいいですか?
A6:親子スキンシップ体操は効果的ですが、本件はそれ以前の問題もあるように感じます。まず子どもの興味があるものを親や大人が一緒に取り組みます。子どもは親と一緒に取り組むこと活動することが楽しいと認識すれば、次にお友達や兄弟を参加させ、少しずつお友達を増やすことで、大勢のおともだちとの活動も楽しくなってきます。親や大人がきっかけをつくってあげることが必要です。
受講目的:健康理論を拓き子どもたちを愛し実動のあり方を示して皆で取り組むべき課題を語り継ごう
講師:泉 秀生先生、石井 浩子先生、前橋 明先生
司会:阿部 鈴子先生(広島県)文 双鵬(国際幼児健康デザイン研究所)
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